Oct 7, 2013

76景 神田紺屋町 View 76 Kanda Kon-ya-cho


染め上げられたばかりの浴衣地が屋根の上に設けられた干場で風に揺れています。
神田紺屋町は江戸時代、文字どおり、藍染職人の町でした。

Long strips of freshly dyed cotton fabric are swinging in the air.
They are being dried on platforms on dyer's roofs.
This is Kanda Kon-ya-cho, the indigo dyeing mecca of Edo.


揺れている浴衣地はデザインもさまざま。

浴衣をご存知ない方たちのために、恥ずかしながら私の浴衣をちょっとご紹介。(ちょっとしわが気になるけれど。(>_<))

I like those colors and patterns of the fabrics.
They are for summer kimono, yukata.

If you don't know what yukata is, this might give you some idea.  
These are my yukata (that needed ironing (>_<))

最近はいろいろな色の浴衣がありますが、私のはみんな青です。
These days, yukata comes in so many different colors.  But mine are all in different shades of blue.
朝顔のろうけつ染め batik-printed morning glory
 
とんぼ dragonfly
なんの花でしょう?maybe some kind of orchid (?)
一番気に入っているのは、これ。This one is my favorite.  If you look at it closely,
よく見ると絞りって気が遠くなりそう。
 you can see that it is finely tie-dyed.  This method is called shibori.

広重は、中央の白い生地にちょっとした遊び心を隠しています。
前2枚には「魚」の字のデザイン。これは版元の「魚栄」さんのため。
後の2枚には四角の中に「ヒ」の字。これは広重の「ヒロ」をデザインしたものだそうですよ。

In Hiroshige's print, monogrammed white fabrics are swinging in the center.
Two in the front bear designed letter 魚, in honor of the ukiyoe publisher, Uoei (魚栄).
Two in the back bear Hiroshige's monogram; ヒ in a square. 
(Hiro is ヒロ in katakana.)


富士山が見えるということは、これは西方を望んだ絵ということになります。
緑の中にはちゃんと小さく江戸城の富士見やぐらも描かれていますよ。
現在も富士見やぐらは皇居東御苑で見ることができます。

Mt. Fuji is soaring, by which we can tell this is the westward view.
In the middle distance, surrounded by green trees, stands Fujimi Yagura (Mt. Fuji-viewing Tower) of Edo Castle.
And it's still there. 
富士見やぐら
Fujimi Yagura (Mt. Fuji-Viewing Tower) seen from East Gardens of the Imperial Palace.

さあ、神田紺屋町に行ってみましょう。

Now, let's go and see what Kanda Kon-ya-cho is like today.
大通りにはお店やオフィスが立ち並んでいます。
busy main street with shops and office buildings 

一歩脇道に入ると、マンションや小さな会社が並んでいました。
side streets with small offices and apartments

藍染に関係するものは何も見つけられませんでした。
ただ、大通りに面して案内板が立っています。

But I could't find anything related to indigo dyeing industry in the area. 
The only thing I found was this sign board.

町名由来板。その説明によれば、江戸時代初期土屋五郎右衛門という紺屋頭が家康から関東一円の藍の買い付けを許され、配下の藍染職人とともにこの辺りに集まって住んでいたそうで、いつしか紺屋町と呼ばれるようになったんだそうです。

It said,
"At the beginning of 17th century, this area was controlled by Tsuchiya Goroemon, a dyer who was given permission by the Shogunate to purchase indigo in the Kanto region. It gradually became a dyeworks community."

And that's why this town was called Kon-ya-cho (kon=dark blue, ya=shop, and cho= town).


1856年、ちょうど広重のころの地図がのっていました。

This is the map of the area in 1856.
この地図は南が上になっています。案内板の前の東西の道が右から順に紺屋一丁目、二丁目、三丁目です。
This is a south-up map.
The red circle in the center is where this sign board stands.
The horizontal street right by it is called Kon-ya-cho 1chome, 2chome, and 3chome from right to left.

2003年の地図と比べてみてください。Map of the area in 2003 


案内板が立っている大通りが紺屋町ということでよさそうです。
さてではそこから西を眺めると…。

So, I decided, this main street where the sign is is where I'm taking today's photo.
I looked to the west, and this is what I saw. 

神田駅です。 Kanda Station (^^)

全然違っていました。 

It was very different. 


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6 comments:

Minoru Saito said...

こんばんは。浴衣を沢山お持ちですね。絞りの浴衣とは素晴らしいです。
 紺屋街はよく車で通りますが、無芽を見ては「紺屋の白袴」という慣用句を思い出します。
 今回も楽しく見させていただきました。

Merry Witch said...

Minoruさま
この夏は一度も浴衣を着ませんでした。あんまり暑くて。ちゃんと着ないともったいないですね。

cosmos said...

色んなことをよく調べておられて感心します。それを英訳してとなると難しい作業だと思うのに、難なくこなしておられるようでうらやましいです。たくさんの外国の方にもみていただかないと惜しいですよね。
着物がお好きそうですね。素敵な浴衣(絞りの浴衣があることも知りませんでした!)をサラリときておられる美しいお姿を想像します。

Merry Witch said...

cosmosさま
着物は好きで、ひところはよく着物でお出かけしていたんですが、ちょっと今熱が冷めてしまっています。(^_^;) たまには着ないと着方を忘れてしまいますね。

英語で書くのはとっても苦労しています。間違いもいっぱいあると思います。でも、通じればいいや、くらいの気持ちで頑張ってます。外国の人にも興味を持ってもらえたら嬉しいんですけどね。

cosmosさまのほうこそ、楽々書かれているように思えますよ。(^_^)v

story tell said...

初めて投稿します。素敵なブログですね。見やすくて読みやすく、わかり易いです。英語の訳勉強になります。感謝です。又藍染の浴衣を見ると何かほのぼのとした気分になります。昔は紺屋街は藍染の香りで満ちていたのでしょうね。タイムトンネルで行って-----です。

Merry Witch said...

story tellさま
コメントいただきとても嬉しいです。ありがとうございます\(^o^)/

藍染の香りですか?そうですね、考えてもみませんでしたが、きっと町には特有の香りがあったんでしょうね。藍染の香り、残念ながら知りません。機会があったら、どこかで体験してどんな匂いなのか知りたいと思います。いいこと教えていただいて、ありがとうございました。